【第40回目】勘違いしてはいけない!海外での自己主張について

こんにちは。ゆっきーです!

かれこれ数年前になりますが、面白いニュースを見ました。
アフリカのコートジボアール共和国という国で、時間厳守コンテストの表彰式が行われたそうです。

驚いたことに、何と優勝者には6万ドル(約700万円)相当の家がプレゼントされたのでした!このコンテストは、遅刻が経済に与える悪影響ついての認識を高めることを狙いに、現地の広告会社が考えたそうですが、受賞者は、やはりビジネスマンや公務員9人だったそうです。

私達にとって時間を守るということは当たり前のことですが、国によっては、家が賞になるくらい当たり前のことではないようですね。海外に出ると、日本の常識が非常識になっていたり、その逆もしばしばあるものです。そんなことが体験できるのも、海外生活ならではの醍醐味と言えるでしょう。海外では、日本との違いを楽しんでしまう感覚も必要ですよ!

 

さて今回は、意外と誤解されやすい「海外での自己主張」について述べてみたいと思います。

海外へ出ると、日本人はあまり自己主張をしない国民だと言われますね。これは事実だと思います。自己主張しない理由には、いろいろあると思いますが、日本では“謙虚さが美徳”という考え方が根付いていることも挙げられるでしょう。また、相手の顔色を察して、気持ちを理解してあげたり、してもらったりといったような以心伝心という文化も日本にはありますね。自己主張せずとも、お互いの気持ちを察して理解し合うことも日本では可能だと思います。

 

しかし、海外でこの以心伝心を相手に期待すると、うまく行きません。自分の考えていることを言葉に出さずして、相手にわかってもらえることはないと認識しておいたほうがいいでしょう。外国は、さまざまな人種の人達が集まって成り立っている国が多いので、いろいろな考え方を持っている人達が多いため、自分の考えていることは、相手にはっきり主張したり、話さないと理解してもらえないことが多いのです。そのため、外国では自己主張することは、ごく当然な行為であり、相手に自分を理解してもらうためには必要なことなのです。

 

実は、ここに日本人留学生にとって、若干の問題が潜んでいます。自己主張することに慣れていない日本人は、このことだけを聞くと、外国へ行ったときに、とにかく自己主張すればいいと勘違いする人が結構多くいるのです。でも、自己主張の仕方を間違えると、外国であっても嫌われてしまうのですね。

 

「アメリカ留学生活体験ブック」(アルク)という本に、こんなことが書いてありました。この本のタイトルには、アメリカ留学となっていますが、他の国でも十分通じる内容ですのでご紹介させていただきます。

 

この本によると、アメリカでは、自分の言いたいことを言うには、二つの方法があると解説されていました。

ひとつは、「挑戦的なコミュニケーション」。もう一つは、「自己主張のコミュニケーション」です。

「挑戦的なコミュニケーション」とは、自分の要求を直接的に強く求めることです。相手の立場や状況に関係なく主張すること。たとえば、どこかに行きたい場所があるとしますね。そんなとき、「Aには行きたくない。Bにしてくれ!」という感じです。

もう一つの「自己主張のコミュニケーション」とは、自分の要求や必要性を相手を尊重しながら説明するというのです。これは、前者のように、ただどこそこに行く事を主張するのではなく、「私の家族にプレゼントを買いたいので、今回はAではなく、Bに行きたいのです。それでもいいですか?」といった主張の仕方です。

 

いかがでしょうか?どちらがいいのか、もうお分かりでしょう。

 

もちろん後者ですね。一般的に自己主張が足りないなどと言われてしまうと、自己主張することに慣れてない私達は、「挑戦的なコミュニケーション」をしなければならないと考えてしまいがちです。しかし、前述したように、自己主張をすることが当たり前であるアメリカでさえ、「挑戦的なコミュニケーション」の手段ではあまり上手くいかないのです。このことは、どこの国に行ったとしても一緒です。主張するにしても、相手を思いやる言動というのは必要なわけです。これから留学する人は、留学先での円滑な人間関係を築くためにも、このことは改めて認識しておきましょう。

 

≪海外では自己主張は必要。されど、相手を思いやり、尊重しながら主張することが大切≫

 

これが、海外での自己主張の鉄則です!自己主張も“ただ主張すればいい!”ということでなくて、主張にも適切に相手に伝える方法がある、ということを、ぜひ、覚えておいてくださいね。

今回は以上です!では、来週会いましょう。

ゆっきーでした。