【28回目】留学先のアクセント(訛り)信仰

こんにちは。ゆっきーです。

先日、留学エージェントのWISHさんの留学フェア(東京、大阪、名古屋)に
講師として呼ばれました。
http://www.wish.co.jp/fair/

思い返してみると、最初に呼ばれたのは2004年だったと思います。今年でもう
11年目になります。感慨深いものがあります。その間、単純計算で7000人くらい
の方にお話ししたことになります。

 

私の講演を聞いてくださった方が一人でも多く、充実した留学生活を送れるよう
願うばかりです。

 

さて、今回は、留学前の人が意外と気にする、≪留学先のアクセント(訛り)信仰≫について述べたいと思います。留学相談者から、しばしば、「私は、~に(国)行きたいのですが、友人から、その国は英語のアクセント(訛り)が強いからやめたほうがいいよと言われてしまいました。実際、どうなんでしょうか?」という類いの質問を頂くことがあります。

さぁ、みなさんはどう思いますか?まぁ、留学前の人が、留学先の言葉の訛りについて多少迷う気持ちは分らないでもありません。まだ状況がよく分らないからです。でも、上記のようなアドバイスをした友人はどうかと思いますね。恐らく、海外での滞在経験があった上で、そのようなことを言ったのだと思うのですが、そんなコメントを言う人の英語力自体、実際どんなものなのかと疑ってしまいます。

実際、アクセント(訛り)について申し上げたいことは、外国語を自由自在に操れる人は、相手の話すアクセント(訛り)については、あまり気にしていないということです。なぜでしょう?

 

そのような人達は、言語はコミュニケーションの一つの手段だと認識しているからです。アクセントよりも、むしろ話す内容や中身を重視しているんですね。もっと言うと、その話された内容から、その相手の考え方や哲学を見ているのです。但し、実際、英語圏の方に同じような質問をするとなると、多少事情が異なるでしょう(笑)。どのように異なるかというと、アメリカ人に聞けば、「アメリカ英語が一番だ!」というでしょうし、イギリス人に聞けば、「どうして英語を学ぶのにアメリカで学ぶのか?」と言うかもしれません(苦笑)。恐らくこれは、上記以外の英語圏の人に聞いても、「自国の英語が一番だ!」と主張することでしょう。

理由は、自分の国に誇りと愛着を持っているからです。ある意味、当然といえば当然ですね。それはそれでいいと思うんです。ところが、これを日本人が、やれアメリカ英語は良くない、とかイギリス英語は良くない。オーストラリアは・・とか、ニュージーランドなんて~。などと言うとしたら、いかがなものか?と思うのです。まずは、アクセントがどうの、というよりも、自分が言いたいことを自由に表現できて、相手の言っている内容を理解できるようにすることのほうが、もっと大切です。

 

たとえば、英語習得でいえば、実際、どこの英語圏で英語を学ぼうが、大きなマイナスになることは決してありません。学んだ国に関わらず、留学後、その国で習得した語学力を十分に生かし、活躍している方は大勢いるのですから。そのような方から、国のアクセント(訛り)がマイナスになったなんて報告は、これまで一度も聞いたことがありません。

このことについて話すと、いつも思い出す話があるんです。それはSONYの創設者の一人である、故・盛田氏のエピソードです。盛田氏の英語は、ジャパニーズイングリッシュだったそうです。しかし、言葉遣い、表現力の豊さなどがすばらしく、アメリカのビジネス界でも盛田氏の話す英語はとても評価が高かったのです。英語をネイティブスピーカー並みに、流暢に話せる日本人ビジネスマンは大勢いますが、日本人のビジネスマンの中で、一番分りやすく、上手に英語を話すと絶賛されたほどです。

学生当時、そのことを知った私は、とても興味があったので、早速、盛田氏の英語スピーチのオーディオブックを購入し、何度も聴きこみ、感動した覚えがあります。 どんなに外国語が流暢に話せても、話の中身がなかったり、表現や言葉使いが幼稚であれば、逆に相手に不快感を与えかねない、という事実をもっと知るべきでしょう。特に海外では、その人の持つアイデンティティー、考え方、哲学のほうに重点が置かれます。ある意味、バリバリの(?!)ジャパニーズイングリッシュであったとしても、話の内容や表現がしっかりしていて、相手に伝わる十分な英語を話すことができたとしたら、英語圏の人達からすると、“第二外国語を話せる教養のある日本人”だと見られるでしょう。

 

私達にとって、日本語以外の言語は、あくまでも第二外国語になるのですから、逆にそのこと自体を強みに変えてしまうくらいのほうが私は良いと感じております。面白いことに、アクセント(訛り)を問わず、自分が外国語を自由自在に使えるようになると、アクセント(訛り)を気にするという発想が、いかに無意味なことだと気づくんです。

これから留学をする人で、その国の言葉の訛りが理由で、悩んだり、迷ったりしている人は、そんなことはあまり気にせずに、自分の好きな国、勉強したい国で、一生懸命頑張ってください。そして、その国のアクセント(訛り)に 思う存分、ドップリ漬かってください(笑)。

 

大丈夫です。きっとあなたの英語を味わい深いものに変えてくれるはずです。そのことがあなたにとって、マイナスに作用することはありません。この先、自分が英語を流暢に話せるようになる頃には、もうアクセント(訛り)について気にする自分ではなくなっていることでしょう。そのときには、すでにあなたは、“言語はコミュニケーションの一つの手段である”ことを認識した、本物の国際派コミュニケーターになっている証拠です!

次回は、「語学力を向上させるために留学中にしておいたほうがいいこと」についてです。

お楽しみに!

ゆっきーでした。